【開催報告】第9回ソーシャル・ビジネス・アイデア・プレゼンテーション(SBIP)  

2020年2月15日(土)、品川女子学院にて第9回ソーシャル・ビジネス・アイデア・プレゼンテーションを開催いたしました。

今回は「未来のために”今”を変革するソーシャル・ビジネス」をテーマに、志高い起業家の方々による基調講演、東京・福島の高校生によるフレッシュなアイディアに溢れたプレゼンテーションを行いました。週末にも関わらず、多くの方にご来場いただき、今回の目的であった「起点」の場を実現することができました。関係者一同心よりお礼申し上げます。

開催概要

  • テーマ:未来のために‘今’を変革するソーシャル・ビジネス
  • 日時:2020年2月15日(土)14:00~17:00

第1部 基調講演

プレゼンター

1.軍神未来(ぐんしん みらい)様
駒込高校在学 
※外部大会で高い評価を得られた学生の方によるプレゼンテーションです

2.垣内俊哉 (かきうち としや) 様
株式会社ミライロ 代表取締役社長
https://www.mirairo.co.jp/

3.山口幹生(やまぐち みきお)様
山口商店合同会社 代表社員CEO・株式会社ポケットマルシェ取締役COO
http://www.pocket-marche.com/

第2部 学生の部

学生の考えたソーシャル・ビジネスのアイディアを発表後、ご来場の皆様に様々なコメントやアドバイスをしていただきました。

発表校

  1. 福島県立福島高等学校 
  2. 品川女子学院 
  3. 聖光学院

当日の様子

第1部 基調講演

今回の基調講演では、3名の起業家の方々にご登壇いただきました。プレゼンターの方がそれぞれ持っていた問題意識やそれに対する考えに触れることができ、より多角的な視野で社会課題の解決を考えることができました。

1. 大学入試に変革を (プレゼンター:軍神未来様)

最初のプレゼンターは軍神未来さんです。

軍神さんは『人の可能性を最大化すること』をミッションとして掲げ、様々な活動をしていらっしゃいます。軍神さんは今、求人システムをモデルにした、大学側から学生をスカウトするシステムを構築したいと熱く語ってくださいました。軍神さん自身高校生であることに加え、U-18起業家として幅広くアクティブに活動しているからこそ、偏差値以外の軸で学生が評価されないということに問題意識を持っているそうで、これからの社会では自分の頭で行動する人が求められると軍神さんは力強く主張されました。またただ学生の経歴を羅列するのではなく、SDGsの項目別に自身の強みを細分化してアピールするなど、従来の入試形態には見られないユニークな形をとることが特徴として挙げられていました。現役高校生からの想いのこもったプレゼンテーションに会場は圧倒されました。

2. 障害を価値に変える (プレゼンター:垣内俊哉様)

二番目のプレゼンターは株式会社ミライロの取締役を務める垣内俊哉さんです。

垣内さんはご自身も障害をお持ちで、車椅子に乗り、普段の生活を送っていらっしゃいます。幼い頃から車椅子に乗って生活することが嫌だった垣内さんですが、その障害が引き起こした病にかかり寝たきりになったことがきっかけで、「車椅子に乗れることさえありがたいことだ」と身を持って体感したと仰いました。その経験を通して感じた『人生の長さは変えられないが幅は変えられる』という気づきから、20歳の頃にミライロを創業されます。

現在ミライロでは、バリアバリューという価値観を元に、障害をプラスに変える事業を行われています。バリアをフリーにする時代から、先陣を切ってバリアをプラスにする時代への変革を進めていらっしゃる垣内さんから、社会貢献と経済活動の両立が、サスティナブルなビジネスへと繋がることを学ぶことができました。

3. 都市と地方を補い合う関係に (プレゼンター:山口幹生様)

基調講演の最後のプレゼンターは株式会社ポケットマルシェ取締役COO山口幹生さんです。

前の会社での海外赴任の際に日本を客観視できたことがきっかけで、東日本大震災の復興支援を行いたいと思い、現地で活動されていたそうです。そのときに初めて農家や漁師と親交を深め、生産者の誇りや高齢化などの一次産業の生産者のリアルを知り、都市と地方の見えない壁に問題意識を抱かれました。大規模流通システムが生産者の顔を見えなくしていると考えた山口さんは、生産者と消費者をつなぐプラットフォームを目指し、ポケットマルシェを立ち上げられました。

生産者が自ら値付けし、価値を伝えること、そして食べ物の背景を知り、選ぶことを重要視するために、産者への直販サポート・マーケットへの出品・食品の販売とコミュニケーションという形をとっているのがポケットマルシェのサービスの特徴です。この特徴を生かし、消費者は食べ物の背景を知り、生産者と共に喜びや悲しみを分かち合うことができると山口さんは仰います。これが広まることで都市と地方が補い合う、愛に溢れた日本をつくっていきたいという言葉でプレゼンテーションを締め括られました。

第2部 学生の部

福島県立福島高等学校

  1. 養殖の未来に向けて~低コスト!完全閉鎖型陸上養殖の実用化~
  2. アダプティブラーニングを用いた高等学校の情報科におけるプログラミングの授業法の研究

品川女子学院

  1. 通学鞄の重さ軽減を目指し、必要のない教材の持ち帰りをなくすサービス「LoL」
  2. 誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、ヘルプマークをヘルプする「iknow!」
  3. デジタルアーカイブづくりで災害への意識向上を

聖光学院中学校高等学校

  1. 共働き世帯にゆとりを『eaple』
  2. シェア自転車×スマホ充電サービスで通勤時間を豊かに
▲学生の部の発表の様子

審査員の皆様

  • 植木 和司部様 Global Link 実行委員会 日本事務局長
  • 佐藤 真希子様 (株)SGSインベストメントワークス代表パートナー
  • 鈴木  おさむ様 放送作家
  • 田口 義降様  (一財)Social Business Platform

3校ともに、高校生とは思えない堂々としたプレゼンテーションをしてくださり、会場中の大人を魅了しました。

出場者の皆様、プレゼンテーションをしてくださった皆様、審査員の皆様、本当にありがとうございました。

SBPは「社会更新」「能動的社会の実現」を目指して今後も活動をして参ります。引き続き、イベントへのご参加やご協力をいただけたら幸いでございます。今後もSBPの活動をご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。