【開催報告】第33回SBP主催経営者朝会(2019/10/18)   

10月18日(金)、第33回となる経営者朝会を開催させていただきました。

今回は「Generational Diversity」をテーマに次世代Next Generationsによるパネルディスカッションを行いました。急激な世界成長により、様々な世代が生まれ、共存する今の社会について、ディスカッション形式で考えを深めました。今回もたくさんの方々にお集まりいただき、おかげさまで盛会のうちに終了いたしました。誠にありがとうございました。

ファシリテーター

小泉 裕義 (こいずみ ひろよし)様 
小泉グループ株式会社 取締役

2007年慶応義塾大学院理工学研究科卒業後、投資会社にて日米東南アジアのVC投資に従事。その後、製薬会社へ転職し上海駐在を経て、2014年に小泉グループ株式会社へ入社。グループ各社の事業を現場に出て学んでいる。また、2009年より社会起業家を支援するソーシャルベンチャーパートナーズ東京(SVP Tokyo)にパートナーとして参加、2011-2013年はボードメンバーを務める。2017-2018年、NEXUS Global Youth Summitに出席、2018年よりNEXUS Japan Country Leaderとして、日本の社会起業家と次世代リーダーを繋ぐ場づくりを行っている。
https://nexusglobal.org/

パネリスト

田口 義展 (たぐち よしひろ)様  
GENie株式会社 取締役営業本部長

2012年学習院大学卒業後、セブン-イレブン・ジャパン株式会社に入社。2015年まで3年間、同社で勤務後、西濃運輸 株式会社に入社。2016年~2017年まで同社オープンイノベーション推進室にて新規事業の企画立案やM&Aを担当。
現在は株式会社セブン-イレブン・ジャパン専用の買い物代行会社としてセイノーホールディングスの100%出資で設立されたGENie株式会社にて買い物弱者解消のためにラストワンマイルの配送事業を行なっている。
https://genie.jp.net/

増田 宗禄 (ますだ そうろく)様  
株式会社ソウ・ツー 代表取締役社長

2007年駒澤大学卒業後、株式会社ザ・アールに入社。同社にて営業補佐、商品開発に携わり、2年勤務。その後、2009年に株式会社ソウ・ツー(不動産資産管理会社)入社。代官山T-SITE立ち上げに伴い、同施設内にてFamily Mart代官山店立上げ。T-SITE出店に伴い6店舗へ拡大。16年より同社代表取締役社長就任。飲食、ペットサービス、電動自転車卸、販売、CVS事業等グループ拡大の事業会社化に伴う、社内改革に従事。
http://www.so-two.com

増渕 翔 (ますぶち しょう)様  
株式会社グロービス ベンチャーサポートチーム

1995年生まれ(ぴったりゆとり世代)、熱海出身。AO入試を経て慶応義塾大学総合政策学部に入学、「半年間の保育園づくり休学」を経て4.5年をかけて卒業。大学在学中に(一社) 全国 FROM PROJECTを創業。来たる教育改革に向け、アクティブラーニング / PBL型カリキュラムの研究・開発。4,000名以上の高校生に授業を提供。大学卒業後、GAFA出身者によるベンチャー企業フライウィールに入社。AI / データビジネスに関わったのちにグロービスへ転職。ベンチャーサポートチームとして国内スタートアップへの支援を通じたベンチャーエコシステムづくりに従事。
https://www.globis.co.jp

山田 偉津子 (やまだ いつこ)様  
Strategic Designer、BCG Digital Ventures

同志社大学卒業後、米UC Berkeley Extension Schoolで起業論を学ぶ。デザイン思考・リーンスタートアップ思考を用いたサービス開発事業にリサーチャー、ファシリテーターとして従事。米国サンフランシスコのbtrax, Inc.でInnovation Project Managerとして、2年間でFortune 500 Globalの日本企業を誘致し8プロジェクトを達成。エスノグラフィックリサーチ、市場調査、競合調査、アイディエーション、ペルソナ作り、ラピッドプロトタイプ等を担当し、ベイエリアのスタートアップとも交流が深い。BCGではStrategic Designerとして、ユーザーリサーチ、エキスパートインタビュー、競合調査からニーズや事業機会を見つけ出し、新規サービスのアイディア創出に寄与する。
https://www.bcg.com

内容

まずモデレーターの堀久美子さん(SBP事務局)から、ディスカッションの前提として戦後世代を4つに分け、それぞれの世代の特徴の説明がありました。

それによると、

ベビーブーマー 1940~1960年生まれ

  • チーム志向
  • 対立は苦手
  • 肩書きを気にせず、楽観的
  • フィードバックを気にする
  • 個人の成長や喜び
  • モチベーション:収入

ジェネレーションX 1960~1979年生まれ

  • 目標志向
  • マルチタスク
  • グローバルな思考
  • 権威には疑問
  • 独立型
  • インフォーマルな職場
  • モチベーション:安定

ジェネレーションY、ミレニアル世代 1980~2000年生まれ

  • 自信
  • ソーシャル
  • ストリートスマート
  • 多様性
  • 集団協働
  • テクノロジーを使いこなす
  • 難しい人・事柄への対応スキル欠ける
  • モチベーション:個人の生活を保つ

ジェネレーションZ 2001年~ 生まれ

  • モビリティ
  • 複数の現実・複数のID
  • デジタル・ネイティブ
  • Communiaholic
  • Dialoguer
  • 自分探し
  • ユニークネス
  • モチベーション:“Truth”を追い求める

さらに、今回のパネリストのミレニアル世代についてさらに深堀りし、

  • 恵まれた環境
  • 雪結晶の様に、すぐ消える
  • 怠惰な
  • 自撮り好き
  • シェア
  • こだわらない
  • 気楽な感じ
  • 目標設定と達成に注力する
  • 知識と冒険を求める
  • 強い家族志向
  • 直接的なインパクト実現重視
  • 高いプレッシャーと心身の健康

という分析もあり、パネリストさんたち、そしてほとんどがジェネレーションXの出席者のみなさんからの称賛をいただきました。

こうした分析と、参加者たちの問題意識のすり合わせのあと、司会の堀さん、そしてSBP事務局が取り入れたオンラインのライブアンケートシステムのSlidoを使って色々なアンケートを取りました。

たとえば、「多世代との仕事・コミュニケーションに難しさを感じますか?」という問いに対して、「Yes 63%」「No 37%」という結果になりました。参加者の中から、「Why(なぜ)・What(何を)は、うまく伝えられるが、 How(どうやって)・WHEN(何を)を伝えるのが難しい」という意見がありました。それに対するひとつの答えをきっかけに、パネリスト5人によるディスカッションが始まりました。司会は、小泉裕義さんに交代です。

増渕翔さん「私たちの世代が、上の世代とコミュニケーションが難しいと思うよりも、上の世代が下の世代に接するときのほうが難しいと思うに違いない」

田口義展さん「情報の入り方が世代ごとで全然違うから、そういった状況をつくる。それを認識してるかどうかが差を生むからこそ、世代間での双方のリスペクトがコミュニケーションをする上で重要なコツだと思う」

小泉さん「確かに、難しさもいろいろある。だけど、世代間で補い合っていい点もたくさんあるはず」

増田宗禄さん「ベースにリスペクトが必要なのは、同意。同時に、下の世代を過小評価になってしまうから気をつけなければならない」

小泉さん「若い世代の発想は、新鮮で学びにつながる。世代間でチャレンジするときのリスクを減らしながら多様な可能性を広げられる」

次のテーマは、

次世代の次の世代(子ども世代)で、私たちがどう社会を作りたいか

増田さん「自分にも子どもが生まれ、この子のためにやらなきゃならないんだと思った。価値観は世代間で変わってはいけない、だからこそ価値観の軸がぶれてはいけない」

田口さん「最近高校生のビジネスモデルを聞く機会があった。そのアイディアは自分がこうしたいと思う『will』しかなくて、収益を立てる術がなかったが、斬新なアイディアに脱帽した。次世代の子ども世代の2040年ごろはもっと不景気な世の中で、私たちはこの若者の『will』を実現し、さらに多くのイノベーションを生んでいかなければならないと感じた。」

山田偉津子さん「自分が今こうしてパネルディスカッションという場を用意してもらっているように、今度は自分がデジタルテクノロジーについて議論しあえる環境作りに努めたい。」

次は、最後のテーマです。

次世代に伝えたいこと

「半径を広げる挑戦」「好奇心」「自分らしさ」といった背中を後押しするような一言や、「諦めない」「大丈夫だ」「失敗大歓迎」といった温かい言葉、そして「敬意と概念」「お互い様」「世代も個性だ!」「謙虚と感謝」「共感性」といったこの日のテーマとなる世代の違いにまつわるものなど、たくさんのメッセージが寄せられました。

プレゼンターへの質疑応答のあと、コメントとしてこの日の参加者の中で最も上の世代の方から、「たとえ達成するための方法は変わっても目的意識は変わって欲しくない。profit is airの考え方で、空気を吸うために生きてきたわけではない人間のように、事業も利益は大切だが目的ではない。なんのために利益を上げていくか、それが大切だと思う。」という熱いメッセージをいただき、この日の朝の会合を締められました。

本年最後の開催であった経営者朝会では、多世代が交わり、世代間のギャップや違いについての理解、そして共感を深めることができました。