【開催報告】第8回ソーシャル・ビジネス・アイデア・プレゼンテーション(SBIP)

2018年11月17日(土)に、品川女子学院にて第8回ソーシャル・ビジネス・アイデア・プレゼンテーションを開催いたしました。週末にも関わらず、多くの方にご来場いただき、本当にありがとうございました。

今回は「レジリエンス – しなやかに超える力 – 次世代を開くソーシャル・ビジネス」を全体テーマに掲げ、実際に社会課題の解決とビジネスをつなげて取り組んでいらっしゃるミュージシャンであり、多角的なプロデューサーでもある小林武史さんと、ソーシャルビジネスのアイディアを懸命に考えて表現してくれた東京・福島の中高生からプレゼンテーションいただきました。関係者一同心よりお礼申し上げます。

開催概要

  • テーマ:レジリエンス – しなやかに超える力 – 次世代を開くソーシャル・ビジネス
  • 日時:11月18日(土)14:00〜18:00

【第1部:社会人の部】
・音楽家、ap bank代表理事、Reborn-Art Festival実行委員長 小林武史様
http://www.apbank.jp
http://www.reborn-art-fes.jp/

【第2部:学生の部 発表校】
・品川女子学院
http://www.shinagawajoshigakuin.jp
・福島県立福島高等学校
http://www.fukushima-h.fks.ed.jp
・聖光学院中学校高等学校
http://www.seiko.ac.jp/


当日の様子


▲多くの経営者、ビジネスパーソン、教育関係者、学生の皆さんにお集まりいただきました。


▲音楽家、ap bank代表理事、Reborn-Art Festival実行委員長 小林武史様

【第1部】

音楽活動のみならず震災復興などの社会的活動に精力的に取り組む小林武史さんより、「震災から – Reborn – 再生するマチ・ヒト・コト」というテーマで基調講演をしていただきました。今回の講演では主に、ap bankを作ろうと思ったきっかけ、ap bank fes、そして、Reborn-Art Festivalについてお話しして頂きました。

ap bankを作ったきっかけ

1960年代は、ビートルズ、ジョンレノン、ボブディランのようなミュージシャンが、社会・地球規模の問題を、音楽を通して発信してきた時代でした。しかし、日本ではそのような動きは少なく、小林さんは危機感すら感じていました。そんな中、2001年9月11日NY同時多発テロが発生。アメリカ全土でナショナリズムが高まり、それに続くイラク戦争で世界は混沌としました。小林さんはお金や権力に傾斜し、環境や社会問題がないがしろにされていると感じ、地球にも責任を持っている一人の市民としてできることをやろうと考え、2003年にap bankを設立されたそうです。お金はあくまで道具であり、使い方次第で未来を選択できるという想いを持って活動を開始されたそうです。

ap bank fesの取り組み

2003年に設立されたap bankは環境プロジェクトに融資してきました。その中で融資資金のほかに全国から融資に申し込んできた方との面談など事務局の運営費を生み出す仕組みを考える必要があると感じたそうです。
そこで音楽の力を活用しようと始まったのが、ap bank fesでした。ここでも、単なるフェスを行うのでなく、環境に配慮したフェスを行なっているそうです。ゴミの分別やエネルギーへの配慮、カーボンオフセットにも取り組んでいらっしゃいます。

Reborn-Art Festival

2011年9月11日、東日本大震災が発生しました。小林さんは復興を、企業誘致などの大きな力で行うのではなく、一人一人の力で内側から成し遂げていきたいと考え、Reborn-Art Festivalを始めました。このイベントを企画するとき、都市にできないことはなんだろうと考えました。そして、都市には、安全性・利便性・合理性などのわかりやすいことが多いのに対し、地方には圧倒的な自然がある。そして、そこにアーティストが関わることで、新しいことに出会うということができるのではないかと考えたそうです。命のつながりを感じ、一人一人が何かに出会えるという場作りをするとう想いを持って活動なさっています。2019年のReborn-Art Festivalは、「いのちのてざわり」をテーマに8月に行われます。

高校生へ向けて

最後に、会場の高校生へメッセージとして「楽しむのではなくて面白がる」という言葉をいただきました。一見似ているように感じる「楽しむ」と「面白がる」ですが、「面白がる」にはただ「楽しむ」のではなく、ネガティブなことも多角的な視点からポジティブに捉え直すという意味がある、と。様々な困難も面白がれる逞しさを持って生きていって欲しい、という強いメッセージをいただきました。

▲学生の部の発表

【第2部】
品川女子学院

  1. 「孤立死」への解決策としての世代間交流カフェ
  2. 障害があっても楽しめるバリアフリーでストレスフリーな旅行プラン『Frippy』
  3. 途上国の教育を変えていくためのサービス『NOSEN』
  4. 異国の地で自国の人と語り合える、新しいマッチング『LocoMe』

福島県立福島高等学校

  1. 福島の情報教育をプログラミングで変えていくという教育改革案
  2. 陸で育てるウナギ〜ふっこうみどりうなぎ〜の養殖、販売について

聖光学院中学校高等学校

  1. 「自分の顔」を使った顔パス交通乗降システムFace Pass
  2. ボランティアに行きたくてもいけない人に注目したマッチングシステム

3校ともに、中学生、高校生とは思えないくらいに、堂々とプレゼンしてくださいました。

出場者のみなさま、プレゼンテーションをしてくださったみなさま、本当にありがとうございました。

SBPは「社会更新」「能動的社会の実現」を目指して今後も活動をして参ります。引き続き、イベントへのご参加やご協力をいただけたら幸いでございます。今後もSBPの活動をご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。