【開催報告】SBP+G1特別企画朝会(2015/11/13)

11月13日(金)に特別企画朝会として、グロービス・キャピタル・パートナーズの高宮慎一様をお招きして『大企業の、ベンチャーを活用したオープン・イノベーション』をお話頂きました。多くの方のご参加を頂き、盛況のうちに終了しました。誠にありがとうございました。

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【プレゼンター紹介】

株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー/Chief Strategy Officer
高宮 慎一 様

グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー/CSOとして、投資先ベンチャーのアイスタイル、オークファン、カヤック、ピクスタなどを上場まで導くと同時に、2014年IT系で一番大きなM&Aとなったナナピ(KDDIグループ入り)や、しまうまプリント(CCCグループ入り)など、大企業とベンチャーの連携の橋渡しもされています。(写真左 高宮様、右 SBP代表 田口)

 

【内容】

大企業におけるコアビジネスの成長スピードが鈍化することは避けにくい一方で、株主などからは持続的な成長を求められる。そんな中、既存事業の成長か新規事業の立ち上げという選択肢がある場合、全てを内製化することは簡単ではない。それは新規事業の創出においては当然ながら、既存事業におけるイノベーションも同様のことが言える。そんな状況において、社外の新しいものをうまく活用して社内を成長させていくということが一つのオープン・イノベーションであると理解する。

外製化する一つの手段としてベンチャー企業への出資・買収などが手法として挙げられるが、大企業と出資先のベンチャー企業の間で生じるズレの例として、大企業は短期的に出資に対する成果を求められる故にベンチャー企業の経営判断に強いコントロールをしたがる傾向がある一方で、ベンチャー企業は持たざるものとして大企業を上手く使い自社の事業にレバレッジをかけていきたいというインセンティブ故に大企業の出資を受け入れており、ここに双方の目的のズレが生じ結果的に双方の成長が促進されていないことがある。

引き合いの強い確立されたベンチャー企業であれば、自社の都合の良いことを大企業に押し付けて利用することは難しくはないだろうが、全てのベンチャー企業が必ずしもそうでは無い中で、大企業側には意思決定などを押し付けず、出資は長期的に回収できれば良いというスタンスで構えて欲しいと高宮氏は考える。

一般的にベンチャー企業のキャッシュフローがブレークイーブンを達成するのに4~7年はかかる中で、短期的に金銭的リターンを求めるのは難しく、この点でも長期的に見守って欲しいと高宮氏は続ける。

また、大企業側のベンチャー企業を担当するチーム構成においてもトップマネジメント層に影響力があるメンバーがチームを牽引していく体制があると、ベンチャー企業側にも安心感と信頼感が生まれてくる。さらに、そのチームメンバーの人事評価についても金銭的なリターンではなくベンチャー育成におけるプロセス評価重視とするなど工夫の余地がある。

上記の様に、社の代表権を持つ役員がベンチャー投資チームを率いながら、社内外に「ベンチャー企業は自社の成長のために我々(大企業)を使い倒してほしい」と継続的に発信している大企業が実際にありベンチャー企業間でも評判になっている。その企業にはベンチャー企業側から次々に案件話が入ってくる好循環が出来上がっている。

質疑応答の場面では、ベンチャーキャピタル(以下VC)ファンドとしてExitの見極めをするタイミングやポイントに関するコメントや、日本のVCの可能性について議論が行われた。前者については、ExitプランはEntryの段階から資金の話やインセンティブなど生々しい話を含めて十分に出資者とベンチャー企業間で詰めておく必要があり、そのような話がきっちりできる信頼関係を構築しておくことが肝要だというコメントが印象的であった。

また、後者においては、資金の供給手であることはVCの基本的な役割だが、例えば、米国No.1のVCを紹介してグローバル展開をサポートする橋渡し的役割を担っていくなどVC同士が連携することでベンチャー企業のバリューアップが促進される可能性はあるという話もあった。

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発表の後も、活発に意見交換がなされ、朝会は盛況のうちに終了しました。
プレゼンターの高宮様、プレゼンサポート頂いたグロービス・キャピタル・パートナーズ シニア・アソシエイトの福島様、ならびに、ご出席の皆さま、本当に有難うございました。

次回は11月28日(土)14時より、品川女学院にて「Social Business Idea Presentation」を開催予定です。学生と社会人の二部構成で、それぞれ、社会的意義の高い事業に関するプレゼンテーションをしていただきます。

また、次回以降の経営者朝会は2016年の2月から8月までの偶数月に1度ずつ計4回の開催を計画しております。また詳細が確定次第、順次ご案内させて頂きますので、どうぞご参加ください。