【開催報告】第32回SBP主催経営者朝会(2019/6/21)

6月21日(金)、第32回となる経営者朝会を開催させていただきました。

今回は「Think Out of the Box」ワークショップと題し、手話という言語を用いた謎解きゲームを体験しました。今回も数多くの方がお越しくださり、おかげさまで盛会のうちに終了いたしました。誠にありがとうございました。

ワークショップ ファシリテーター

菊永 ふみ(きくなが ふみ)様 
(社福)東京愛育苑金町学園 児童指導員(一社)異言語Lab. 代表理事

ろう者。2015年、聴者とろう・難聴者の異なる言語を持つ者同士が協力し謎を解くゲーム、『異言語脱出ゲーム』を発案。2018年3月100BANCH(Panasonic、ロフトワーク、カフェカンパニーの共同アクセラレーションプロジェクト)のGARAGE Programに採択される。2018年4月(一社)異言語Lab.を立ち上げ、謎制作を担当。学校、企業、TOKYOみみカレッジ、100BANCH、吉本興業の京都国際映画祭、沖縄国際映画祭SDGs企画の一環で異言語脱出ゲームを開催。すべての人がコミュニケーション可能な未来を作る『未来言語』の共同代表。

http://igengo.com/igengoescapegame/

コメンテーター

濱崎 久美子(はまざき くみこ)様 
(社福)東京愛育苑 聴覚障害児入所施設「金町学園」施設長、NPO法人「大塚クラブ」理事長

東京都立学校で、聴覚障害分野を主とする教諭・管理職として40年勤務後、(社福)東京愛育苑「金町学園」施設長に就任。同施設は2021年度に、(社福)永春会に事業移譲されることとなり、葛飾区に新施設建設を計画中。新施設は、制限のある中でも、日本一、世界一と言われる聴覚障害児の居場所に作り上げたいと、公的助成や寄付を求めて活動中。また、2005年にはNPO法人聴覚障害教育支援「大塚クラブ」を設立、聴覚障害の乳幼児期から社会自立まで家庭も含めた包括的支援を実践する。

河村 暁子(かわむら あきこ) 様 
東京社会福祉協議会 東京ボランティア·市民活動センター(TVAC) 主任

1989年よりTVACで青少年のボランティア活動、ボランティア・コーディネーター研修、NPO組織強化などを担当。1997年から1年間、米国のホームレスシェルターで子どもたちの教育とレクリエーションプログラム開発と運営に携わる。

2001年から、企業の社会貢献や社員のボランティア活動を担当。子どもの貧困、DV、ひとり親、災害、高齢化、D&Iなど、さまざまな社会課題の解決のために、企業各社と非営利団体とを結びつけたプロジェクトを実施。また、大手銀行の新任行員600名強が都内200箇所での社会貢献研修など、企業各社の新任CSR研修を実施。早稲田大学第1文学部社会学科卒。

内容

濱崎 久美子(はまざき くみこ)様 
(社福)東京愛育苑 聴覚障害児入所施設「金町学園」施設長、NPO法人「大塚クラブ」理事長

まず、ワークショップを始める前に、ろう者の方にとっての音の聞こえ方について濱崎久美子様にレクチャーしていただきました。ろう者の方には、音の高低で聞こえやすさに違いがあり、低音は比較的聞き取りやすく、高音は聞き取りにくいことが分かっています。日本語では、母音と子音がありますが、母音は低音であるため、ろう者の方には母音が多く聞こえてくることになります。近年は、人工内耳やデジタル補聴器などの技術が発達してきてはいますが、大勢の会議や騒音が多い場所ではうまく機能しない現実があります。ないものを埋めるのではなく、聞こえないということを逆手にとって良いところを伸ばしていく支援が必要だと仰っていました。

菊永 ふみ(きくなが ふみ)様 
(社福)東京愛育苑金町学園 児童指導員 (一社)異言語Lab. 代表理事

異言語Lab.代表理事の菊永ふみ様に当日のワークショップファシリテーターを務めていただきました。異言語Lab.では、「ありのままの自分を好きになれる社会を作る」という理念のもと、自分を認め、他者を認めることの素晴らしさを気づかせてくれる異言語脱出ゲームを行なっています。

ゲームには、未知なる恐怖との遭遇、謎を解き伝え合う作業や答えが分かった時の喜びを通して、一体感や爽快感を感じられる仕掛けが施されています。ゲームでは、参加者が手話で意思疎通する惑星に降り立ち、アイフラワーと呼ばれる植物を探し求めるというものでした。

参加者の皆さんは、慣れないながらも手話でコミュニケーションをとりながら、謎解きに取り組んでいました。

ワークショップ参加後の感想として、「言葉を使えないからこそ、年代関係なく、目や表情、手、全身を使って、本来のコミュニケーションを体感できた。」「伝えることの難しさを体感するワークショップだった。手話は、言葉を手の動きだけで伝えるものだと思っていたが、そこにいつもより意識して表情をつけたり、少し大袈裟に動きをつけたりするその一工夫がコミュニケーションを取る上で必要だと感じた。言葉で伝えることも素晴らしいが、その他にも表現方法があるということを体感でき、大変良かったなと感じている。」などという声が多く聞かれました。

日常の、音声というコミュニケーションツールを使っているだけでは気づけないような、コニュニケーションの本質を学べたワークショップとなりました。

河村 暁子(かわむら あきこ) 様 
東京社会福祉協議会 東京ボランティア·市民活動センター(TVAC) 主任

ワークショップの後には、東京ボランティア·市民活動センター(TVAC)の取り組みについて、河村暁子様にお話しいただきました。

TVACは企業との協働に力を入れており、新任研修やセミナーの開催、そして企業の取り組みを評価する表彰を行なっています。特に、多様な子どもたちの架け橋プロジェクト(Building Bridges for Children Project)では、多様な背景や文化をもつ子どもたちが、自信を持ち、積極的に社会に参加していくことを、UBSグループをはじめとする企業各社やそこで働く社員ボランティアの方、そして、子どもを支援するNPOや福祉施設と連携しながら支援しています。この取り組みが評価され、2019年には企業フィランソロピー大賞を受賞しています。今後は、進学支援や資金援助だけでなく、進学後の中退防止・就労支援や人による支援、機会の提供が求められていく、と仰っていました。